車椅子だって椅子

【車いす】

車いす(車椅子)はどうしていすの部分が漢字ではなくひらがななのか、両方とも見かけますが公式の文書では車いすと書かれることが多いのは、 椅子の「椅」の文字が常用漢字ではなかった時代が長かったため、法令では車いすとひらがなを使っているからだそうです。 それに倣いひらがな表記を使う人も多いのですが、別に漢字で「車椅子」でも間違いではありませんし、好きなほうを使えばいいでしょう。 このいすは歩行が困難になった人が自身の移動のために使う特殊なイスで、家具屋では扱っていないので勘違いしないで下さい。 家具ではなく福祉用具に分類されますからホームセンターにもありません。 移動用のイスですが乗り物、車両とも違い、これに乗車して移動している間は普通に歩行者と同じものとみなされます。 つくりは頑丈なイスに大きな車輪が左右についており、小さな車輪も下に備わっていて移動することに長けています。 左右の大きな車輪を手を使って回転させ、これを原動力として好きな方向に好きな距離だけ進ませるのですが、腕の力をかなり使うので 腕力に自信がなければ鍛えてマッチョな二の腕の持ち主になりましょう。 車輪を手動で動かして駆動するので坂道には弱く、急な上り坂は進めませんし、下り坂では勢いがつきすぎて危険なので付き添いの人に同伴してもらいましょう。

【電動車いす】

腕力で動かす車いすは力の弱い人だと乗りこなすことはできません。 交通事故で自分の足で歩行できないくらいに大怪我をしてしまった場合などは、腕も骨折していたり障害が残ってしまい車いすを操ることが出来ない場合も 少なくはないので、歩けないけど車いすで移動する力もない、ととっても辛い境遇になってしまう人も自動車の多い都市にはいるでしょう。 それを解決するのが電動車いすで、これは腕の力ではなく電気の力で駆動させる、画期的なイスの姿をしたマシーンです。 バッテリーを積載して電動モーターを動かし、その力で車輪を回転させて車いすを前後させるので筋肉質ではない方でも乗りこなせます。 よく悲しい映画でか弱そうな女の子が車いすに乗って病院の廊下を進んでいますが、付き添いなしで一人で動かすのは本当に大変な力を使うのです。 いくら車輪が摩擦を減らすといっても、本体の重量と本人の体重を足し算すると100キロ近くになるので、腕の細いガールやボーイだとカロリーを消耗しすぎて どんどんやせ細ってしまうのです。 それでも移動可能になるので無いよりかはましですが、もっと楽に動かせればいいのに、という思いから電動車いすが誕生しました。 似たようなものにシニアカーがありますが、あちらは車いすベースではありませんし、違う物だと認識しておきましょう。

【犬の車いす】

身体に障害があって自力で歩けない人間用に車いすを使ってもらうように、怪我や筋力の衰えで自由に歩けない、散歩できなくなったわんちゃんに 犬用の車いすを使わせる飼い主さんも公園で見かけるようになってきました。 歳をとれば犬だって老化により脚力は弱まり、子犬の頃のように走り回ることができなくなるのは自然の理で何人たりとも逆らえません。 どんなに高級ドッグフードを食べさせようが、大きな犬小屋を買い与えようが、室内で大切に可愛がってもやがて足腰は弱ってしまいます。 そうなると野外に散歩させてあげようと連れ出しても、足元が覚束なく危険な散歩になってしまうので、これはわんちゃんにとっても悲しいことでしょう。 歩く力が弱まってもご主人様とのお散歩には行きたがるのですが、若かりし頃のようにはつらつには動き回れなく、負担も大きそうで見ていて可哀想になります。 そんなわんちゃん用に開発されたのが犬の車いすで、腰の下付近に車輪が来るように装着し、そして後ろ足を浮かせるかイスに乗せて使用します。 これなら前足の力だけでかなり自由に歩き回れますし、平地なら老犬でも散歩を楽しんでもらえると長年愛犬家を続けている人達にも好評のアイテムです。 坂道やデコボコした道ならリードを引っ張って補助をすれば乗り切れますし、近所を一緒にお散歩する分には充分な便利さを誇ります。 人間用の車いすよりも安価ですし利用犬も増えています。

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