不完全な椅子?

【スツール】

シンプルなスツール(Stool)はお部屋にひとつあればいろいろなことに使えるので柔軟な頭の持ち主なら2個くらい所有していてもいいかもしれません。 これは背もたれも肘掛もないイスで、脚と座る部分だけのいたって簡素なデザインをしており、その分多くの用途に使うことができる便利なイスです。 肘掛も無い、背もたれもない、これは弱点に見えるかもしれませんが、視点を変えて考えると「どの方向からでも座れるじゃん、とても便利!」となります。 部屋の中央に置いておけば東側の窓を観察するように座ることもできますし、反対の西側の窓の外の風景を眺めるように腰を下ろすこともできますし、 北側のドアを注意深く見つめるように息をひそめて着席することも、南側のテーブルの上の模型飛行機をうっとりと見つめるために座ることにも使えます。 どの方向から座るとしてもイスをその都度動かさなくてもいいので、応用力の点で言えばかなり優れたイスになるのではないでしょうか。 一旦座ってからも背後の人とお喋りをしたかったら、お尻をずらしてそちら側に身体を向けるように座りなおすのも簡単ですし、 ちょこまかと動き回るような人にはかなり相性の良いイスかもしれません。 小さいながらも脚の長さを調整できるタイプもあり、他の家具と組み合わせて上手に使いこなせればこれひとつで何役もこなしてくれるでしょう。 タンスの上に置いてあるものを取りたい、という時には踏み台にもなりますね。

【オットマン】

どことなくスツールに近いのですが、オットマン(ottoman)は人間が足を乗せるためのイスになり、一応は補助的な家具になります。 ソファに座ったときにより楽チンな姿勢になりたければ、足ごとソファに乗せて身体を横たわらせることになります。 ですがそこまでビッグサイズのソファでない場合は足がはみ出てしまい、ブラブラと落ち着きない足の置き場所に困ってしまいます。 そんな時に使うのがオットマンで、足を乗せるために開発されたこの家具ならどんな長さの足でもバッチリ乗せて、くつろぎタイムを完全なものにしてくれるので ソファとセットでお買い求めになる方も多そうです。 足乗せ台としての使用法が正しいのですが他の使い方ができないわけでもなく、スツールに似た形をしているのでスツールのように使うことも可能です。 ソファに身を委ねる時には足専用の台として、それ以外の時間帯は普通のイスとして使えますのでスツール同様に汎用性も高いです。 一家にひとつどころか一部屋にひとつ欲しいこの家具は、ペットが座ったりするのにもお似合いかもしれません。 この上にネコを座らせてもいいですし、小型犬ならちょっとしたアスレチックのようにイスを使って運動させることができそうです。 とにかく工夫次第でオットマンとしての役割以上の働きをさせることができるのです。

【フロアチェア】

フロアチェア(Floorchair)は座布団に背もたれが付いているような感じの座椅子で、ローチェアとも呼ばれるとっても床に近い座面を持つイスです。 近距離でテレビを見たかったり、ちゃぶ台の前に座るにはフロアチェアを使うと身体も「うん、この姿勢なら楽だね」と喜びます。 また和室にはソファやスツールだとデザイン的にあまりマッチせず、椅子が欲しくてもなかなか良さそうな物がみつからず困ってしまいますが、 和室にもピッタリな数少ないイスがこのフロアチェアです。 畳の上にテーブルとシンプルで和風なデザインのフロアチェアを並べておけば、そこでお煎餅を食べながらお茶を飲みたくなる日本人は多いでしょう。 座面がほぼ床と同じ高さなので日本人の生活にも合っていますし、年配の方だとソファでは寛げないという人もいらっしゃるので、 和室にはフロアチェアを置くのがなかなかいい具合かもしれません。 逆に洋風のお部屋でもデザイン、柄さえ間違えなければフロアチェアを溶け込ますことはできますので、わりとどこにでもマッチするお手軽なイスとして使っている ご家庭は多いのではないでしょうか。 人間だけでなくお部屋で飼育しているわんちゃんやにゃんちゃんの定位置として、フロアチェアが選ばれることもたまにはありそうです。 座布団の延長と考えればとても使いやすそうですし、お値段もそうしないので買い替えもしやすいイスかもしれません。

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